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zoom RSS 『即身仏の殺人』『降魔王』 高橋克彦・著 

<<   作成日時 : 2013/10/19 10:41   >>

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『即身仏(ミイラ)の殺人』 高橋克彦 著


内容紹介 

山形県庄内地方に広がる修験道などの山岳信仰の霊場として知られる出羽三山。
その一つである湯殿山は、僧侶が土中で瞑想・読経しながら
ミイラ化した“即身仏”で全国的に有名だ。

その湯殿山麓の映画ロケ現場から、
即身仏と思われるミイラが出土した。
しかし湯殿山の即身仏には、寺や村を挙げて入定を見守り、
記録してきた歴史があるが、このミイラは文献に見当たらない。

所有権をめぐって地主と村民の騒動が持ち上がるなか、
殺人事件が発生する!

ロケに参加していた女優・月宮蛍からの依頼で、推理作家の長山作治、
雑誌編集者の名掛亜里沙、そして探偵・塔馬双太郎が事件の謎に挑む。
日本有数の聖地で起きた惨劇はミイラの呪いなのか?




あ、しまった!これってシリーズ物の3作目だったんだ(^◇^;)!
読んでると、前に起きた事件の話がチョコチョコと出てくるんだよね。
でもまぁ、これだけ読んでも話はわかるからいっか!

昔の作品なので、時代は思いっきりバブルの頃。
「金余りの日本」なんて懐かしいセリフが出てきたりして(笑)
この人たち、バブルが崩壊することをまだ知らないのね〜( ̄〜 ̄;)


犯人が誰なのかって事には私は全く興味なかったので
犯人探しのところは退屈でした。
でも即身仏についての薀蓄(うんちく)はとても興味深かったですね。

私がものすごく意外に思ったのは
即身仏になったのは
殺人などの悪事を働いた人が多かったという事です。
その当時は即身仏を志願すれば一切の罪が免除されたんだそうです。
修行を続けたお坊さんが即身仏になった例は少ないのだそう。

それがどうしてなのかはわからないそうだけど
「日本人的な発想で言うと、
もともと志を持って修行を続けた坊主が命を捨てるよりは
仏の加護も信じていなかったような悪い人間が一念発起して自ら
即身仏を願う方が効果的ではあるぜ。
仏教の凄さがより明確に伝わってくる」

と作者は長山に言わせていました。

確かに布教活動の観点から見たら
もともと立派なお坊さんが即身仏になるよりも
罪人が仏の加護によって改心し、即身仏になるほうが
効果的なアピールになるかもしれませんねぇ。

でもそう思うと無理やり即身仏にさせてる感がありますね。

きっと罪人は自分の罪から逃れるために修行をしたから(死罪だし)
過酷な修行に耐えることが出来たんでしょうね。
だって立派な僧侶の即身仏が少ないって事は
志を持ったお坊さんのほうが、修行に耐えることが出来なかったという事では?
(実際あまりの厳しさに脱落する人が大半だったらしい)

もう後のない罪人たちは追い詰められて
修行するしかなかったのでは?
最後の最後に選べる一筋の光のような物で。
と、私は思いました。

今までは立派な志を持った僧侶の自己犠牲だとばかり思ってたけど
ちょっとイメージが変わりましたね。


この推理作家の長山、恐怖小説が得意な作者が成り代わったようなキャラで
不気味な話の知識を惜しげもなく大披露!

私は『異人殺し』の中で代表的な『六部殺し』という話が特に好きですね。
怪談好きの人なら誰でも知ってる有名な民話です。

『異人』とは外国人のことではなく、その地域にとってのよそ者の事です。

また『六部殺し』の「六部」とは、江戸時代に全国66州の霊場へ66回写経した法華経を
一部ずつ納めて歩く勧進の巡礼者のことで巡礼僧のことです。


簡単に『六部殺し』のストーリーを紹介すると・・・。
ある晩に六部が貧しい百姓家に一夜の宿を請う。
その家の夫婦は最初は親切に六部をもてなしていたが
大金を持っていることを知り、お金欲しさに六部を殺してしまう。
百姓は奪ったお金で商売を始めて大成功する。
やがて子供も生まれたのだが、子供は目が不自由だったり
いくつになっても口が利けなかったりする。
そんなある晩、夜中に子供が目を覚まし小便をしたがるので
父親が厠に連れて行こうとした。
今にも雨が降り出しそうな嫌な天気でちょうど六部を殺した時のような晩だった。
すると目が見えなかったり、口が利けなかったりする子供が
「お前に殺されたのもこんな晩だったな」と言う。
そのとたん子供の顔が殺した六部の顔になり
父親を闇の中に引きずり込んでしまう。


という感じの話です。
これは夏目漱石の『夢十夜』の第三夜も同じような話なので
怪談好きでなくても知ってる方は多いのではないでしょうか。
私の場合、『夢十夜』は高校の教科書に載ってましたよ!

『異人殺し』では、その他に旅人を人柱にするというお話もあるんですが
私はそれも好きなんです。

う〜ん、こういう話が好きっていうのも
ちょっとどんな趣味をしてるのかと思われそうだけど
昔の日本の村の因習とか因縁とかそういう話って
ゾクッとして好きなんですよね。

この本の中心となっている即身仏は
最後にその正体がわかるのですが
閉鎖的な村ってなんてひどいんだろう・・・
って思いましたね。

推理作家の長山がうざくて嫌だったのと
トーマがカッコいいキャラなのに
それほど活躍してないのと、相変わらず女性キャラ達が
全く魅力ないって事が気になったけど(笑)なかなか面白かったです。




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『降魔王』 高橋克彦 著


内容紹介

TVで生中継された政治家の転落死に不審を抱いた剣杏之介が
行き着いたのは岩手県東和町。
そこには不思議な霊力を持つ神社と
理想的共同体「ドリーマー」を創設した美青年レンが待っていた。
陰に蠢くのは神か怨霊か?
名作『蒼夜叉』から三年、高野山で修行を積んだ剣が
命を賭して闘う感動の長編。



『蒼夜叉』の続編なので読んでみました。
『蒼夜叉』で書きたい事はみんな書いちゃったのかな?
って感じでした。
敵キャラがイマイチ悪者に感じられなくて
戦う必要もないような気がしちゃった(笑)

小説に出てくる丹内山神社の
「アラハバキの大神」と称される巨石を実際に見てみたいなぁ。
相変わらず、ネットで検索して見たけど(笑)

私には面白いような面白くないような微妙な感じの作品でした〜(;´▽`A``





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