月色はらっぱ

アクセスカウンタ

zoom RSS 懐かしの半村良作品♪「闇の中の系図」

<<   作成日時 : 2011/06/01 23:12   >>

トラックバック 0 / コメント 0

画像


高校生の頃によく読んでいた半村良さんが
急に懐かしくなって、またちょっと読み出したのね。
半村さんは2002年に亡くなられたので最近はあまり耳にしなくなってしまいましたが。
(私の父と同い年だったのです)
本当に面白いんだよね。
私は特に「伝奇SF」系が好きでした〜。


さて、この「闇の中の系図」という作品は
「嘘部シリーズ」の第一弾です。(全部で三部)


工員浅辺宏一は病的なまでに嘘をつかずにはいられない青年であり
自分の嘘を全とうするためには会社を辞めることさえ辞さなかった。
ところがそんな彼は、古代社会から脈々と続いた「嘘部」という集団の末裔だった。
その才能を買われ、秘密結社「黒虹会」のプロジェクト・チームに
編入された彼は嘘の才能を大きく開花させる。


しがない工員で、実家も貧しく、お金の無い嘘つきの宏一が
とんでもない権力のそばで大活躍する話で読んでいてワクワクして来ました。

それにしても、宏一は、なんでこんなに頭がいいんですかね〜?
度胸もあるし、教養のあるようなセリフも言うし
本人の高い能力と、プラスチック工場の工員という立場がチグハグでちょっと違和感があるなぁ
と思った。
こんなに頭のいい人なら
例え家が貧乏でも奨学金をもらいながら大学に行くと思うんだけどねぇ。

宏一の嘘って、嘘と言っても
周りの人間が思わず感心してしまうような嘘なんだよね〜。
例えば飲み屋で話を小耳に挟んだおやじが
「えれえ・・・若えのにえれえ人がいるもんだ」
って感じ入ってお酒を献じてくれるぐらい(笑)
人を感動させる器量のでかい人間を装うのが得意なのです。

でもま、そんな貧乏人で明日の生活もしれないという宏一が
ある日突然国を守る正当な嘘の場を与えられて
お金使いたい放題の生活に180度転換するのだから、面白い。
仕事の一環として、一流のクラブで遊び放題、女抱き放題。
恋人に高級品を買い与え放題・・・と、ウハウハ。
う〜ん、楽しそうだぁ(笑)



作中で橘教授が語る古代からの歴史の講義は、なるほどなぁ、と感心しました。
一読の価値ありです。




宏一は産油国側に日本が画期的な技術を開発し
次の時代でもっとも有力な勢力になると思わせる
という嘘をつくのですが(その嘘がSF的で、ちょっと「う〜ん?」って感じなのですが(笑))
この作品が発表されたのは昭和49年(1974年)・・・
いわゆるオイルショックの時代です。
当時の日本は石油産出国機構による大幅な石油値上げで
不況の嵐に翻弄されていました。


その当時は、さまざまな出来事が短期間のあいいだにいくつも起こっていた時で
毎日新聞社刊の「昭和史全記録」から見出しを拾ってみると

変動相場制移行(昭和48・2)
商社買占めの実態(昭和48・4)
物価高騰/紙不足/オイル・ショック(昭和48・10)
トイレットペーパー・パニック/灯油大幅値上がり(昭和48・11)
またまた狂乱物価(昭和49・1)
石油危機は千載一遇のチャンス(昭和49・2)


と、激動の昭和って感じですよね。
私が8歳の頃だけど、私自身はオイルショックとか全く覚えてないのよね〜。

街のネオンのけばげはしい明かりが消え・・・
と作中に書いてあったけど、電力不足の今と似たような事があったんですね。
37年前にも。
ちょっと昔の小説を読むと、その時代の空気が伝わって来て興味深いもんですね。



ところで!
これ、アニメ化したら、ものすご〜く面白いと思うんだけどなぁ。
スリリングな見せ場も多いし。
古代からの歴史も適度に入れて。
嘘部族が影で暗躍していた歴史のエピソードとかも新しく作って付け加えてもいいかも。
大人向きのエンターテインメント・アニメが作れそう!
とにかく、このまま埋もれてしまうのはもったいないと思うんだよね。
半村良さんは「エイトマン」や「スーパージェッター」の脚本を手がけ
「戦国自衛隊」などが映画化されてて、映像作品には合ってると思います。

アニメの場面が頭の中に浮かんで来る来る。
イケメンの宏一は白系の髪の色でね!(笑)



なんと言っても1番の嘘屋は作者の半村良さんですね。
嘘を小説でこんなにも楽しませてくれた半村さん・・・
もっと活躍してもらいたかったなぁ (つД`)




この後、嘘部シリーズ第二段、第三弾の
『闇の中の黄金 』と『闇の中の哄笑 』も読んだけど
思ってたよりも面白くなったぁ〜(*≧Д≦*)

無理やりシリーズにしなくっても…。
って思いました (;^〜^A






テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
懐かしの半村良作品♪「闇の中の系図」 月色はらっぱ/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる