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zoom RSS 「蝉しぐれ」を読んで&夫との波長

<<   作成日時 : 2005/06/08 22:24   >>

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「蝉しぐれ」(藤沢周平・著)を読んで
江戸時代の「死」や「恋愛」などについて思った事。

江戸時代といっても人々の心が現代人と全く違うわけじゃない。
でも武家の暮らしは現代人からしたら耐え難いほど
思い通りにならない きつい生活のように思える。
こんなに自殺する人が多い現代と比べて武家の人々は突発的な
自殺ってなかったのかな〜?
好きな人とは結婚できず、上の人間の手駒にされて
不遇や理不尽を耐えに耐え。
ん〜・・・ストレスがたまりそう。
この状態で現実にはどのくらい自殺者がいたのだろう?
私が思うに、実はほとんどいなかったんじゃないかな。
(切腹は自殺ではない。男女の心中も含まない)

なぜならば日常的に「死」が溢れていた世界だから。
戦争中に自殺する人間がいないように、「死」が間近にあると
人間はかえって「生」を実感して自分から
死ぬ気にはなれない生き物のような気がする。

江戸時代のお侍さんは、結構平気で殺害を行う。
主人公の文四郎だって、爽やかな凛々しい、いい青年なのに人を殺す。
もちろん、悪いのは襲ってきた相手で
読んでるほうは、すでにムカムカしてるもんだから
「ぶち殺したれ〜〜!」
「あ〜文四郎が助かって良かった!!」・・・と思うわけですが。

現代の青春小説では、爽やかな主人公は
そんなに人殺しはしないでしょう。

江戸川乱歩賞受賞作の「13階段」だって主人公は
一人殺しただけで一生をふいにしてしまうほどの
罪を償って生きていかなくちゃいけない。
例え、相手が「そんな奴、殺して当然!」と思えるほど
どうしょうもない悪党でも・・・。

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「13階段」→死刑囚の心境、執行官の心境、状況など
死刑制度について詳しく描かれている作品です。
読後、私は最後に主人公がなぜ相手を殺したかの理由を知って
とても後味が悪かった。
(ネタバレになってしまうので、あえて書きませんが・・・)
------------------------------------------------------


ところが人殺しも「江戸時代だ」と思うととても自然な事だし、違和感がない。
人の死に対して価値観が違うのだ。

かと言って、「死」を悲しまないわけではない。
文四郎の父が切腹させられる時の肉親のショックや悲しみの気持ちは
とてもきめ細やかに描かれていて、胸にズンと来る。

そして何事も我慢。
職業だって、自分の好きな職につけるわけでもないし、
住居も勝手に変えるわけに行かない。

お互い好き合っていても結婚出来ないし、恋愛したって
不倫なんかしたら、夫は妻と相手をその場で切り殺していい制度だし。
(本文中には、出てきませんが)

義に対しての価値観が希薄になってしまった現代の影響を
受けている私には、とにかく、なんだか息苦しい。
(義に対しての憧れみたいなものは、あるのだけど・・・)
小さい頃から「武家の子」としてしつけられて来たら
それが当たり前で平気なのかもしれないな〜っと思った。
これが大らかな村人や町人だと、また違った恋愛をするのでしょうけど。


まあ、現代のように隣で好き放題してる人を横目で見ながら
自分一人だけストイックに生きるってわけでもないから
我慢しやすかったのかもしれないけど。
誰もが「我慢するのが当たり前」の生活を送っていたんだろう。

と、武家の人々の気持ちになりがら、憤慨したりしたけど
読後はとっても爽やかな青春小説!
この作品は昭和61年から62年にかけて書かれた物なのに
びっくりするほど古臭さがなかった!
なかなかいい人生じゃないの、文四郎!
と暖かい気持ちのする清清しい作品でした。
やはり物語はほろ苦さを残しながらも、ハッピーエンドがいいですね〜。


*・'゜☆。.:*:・'゜☆・:*:.。.:*:・'゜:*:・'゜☆ *∴°☆・∴*☆

ところで今日、チャビが私に言ったのだけど。
「夕べ、真夜中にテレビでやってたんだけど、
なんか心に語りかける言葉を聞いたから録画したんだ。
『父は義のために死ぬのだ。なんら恥じる事はない・・・・・・』
とかって言葉を息子に言ってたんだ。」
「ふ〜ん・・・なんか、『蝉しぐれ』のお父さんの台詞みた〜い!」
「・・・そう!『蝉しぐれ』って言ってた!」
「はあ?」
何回も書いてるけど、チャビは本を読まない。
そして私が何を読んでるのかも知らない。
真夜中の教育テレビの再放送自体もほとんど観ない。
だから偶然にしては、あまりにもピタッと来ていて
聞いた時は鳥肌が立った。


「わしは恥ずべきことをしたわけではない。私の欲ではなく、義のために
やったことだ。おそらくあとには反逆の汚名が残り、
そなたたちが苦労することは目に見えているが、
文四郎はわしを恥じてはならん。そのことは胸にしまっておけ」


という父の言葉は確かにチャビの心に響きそうだ、と思っていた。
けど、たまたま点けたテレビから朗読された
まさにその台詞に反応して
私が読み終わったばかりの本について語るなんて。
・・・・あり得ない。
「呼ばれたんだよ」とチャビは言う。

私は原作のあるドラマや映画は、本を読んだ後でなければ
絶対に観ないし、読む前にそんな台詞を耳に入れたくはない。
本を読む前はなるべく情報を遮断しておきたいのだ。
まさに読み終わった直後で良かった・・・。
そして、一つの物語世界をチャビと共有出来ることが
とてもうれしい ♪(*^―^*)♪


この教育テレビのプログラムは
「知るを楽しむ」の
「私のこだわり人物伝〜藤沢周平〜日本人が美しかった頃」
で6月25日に4回をまとめて再放送するらしいので観るつもり v(〃^_^〃)v

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コメント(5件)

内 容 ニックネーム/日時
おばんでございます。突然のコメントおもさげねがす。
なにせ初めてのADSL開通&ブログのコメント、緊張しながら書いてます。
たのしい文面読みました。やすらぎをありがとう!
 自分は以前tvで放送していたというNHKドラマ時代劇シリーズ蝉しぐれのDVDを購入して見ました。内野聖陽さんが牧文四郎役、水野真紀さんがふく
役、勝野洋さん、村上弘明さん等出演されている作品です。小説も購入しました
が8月に蝉が鳴く頃に読もうとおもってました。文四郎の生き様かっこいいです
ね、人をおもいやる心が・・・。自分はどちらかというと映画やDVDを見てか
ら小説読む事が多いです。「せかちゅう」映画をみてから「指先の花」の小説を
読んで初めて納得したり。壬生義士伝(渡辺謙主演)のdvdを購入して見て号
泣してから、小説を読んでさらにその奥深さに号泣しまっくったり等など。
ストイックな武士にあこがれますね・・・今の僕はかつおブシですけど・・・。
miburo
2005/06/09 02:52

■miburoさん
高速ネットデビューおめでとうございます \(^0^)/
私のところが初めてだなんてとても光栄です。
初めてのコメントってドキドキしますよね〜。

私は本当に本を先に読まないと「嫌派」なので
ドラマがあった事などは今回初めて知ったんですよ。
ずいぶん、人気があるんで驚きました!!
私は映像を先に見てしまうと登場人物が現代人の顔のままに
なってしまうのが嫌なのです。
顔立ちはくっきり二重でなく涼しげな一重まぶたでアゴが
張ってて体格は現代人のひょろっとした体格じゃなくてがっちりとして・・・
となるべく昔の日本人を思い浮かべたいのです。

あと「闇」の深さですね。
ドラマの映像だとどこにいても明るいでしょう?
家屋の中や夜、現代の私達からは想像出来ないほど
昔は暗かったのに。
ルナ☆
2005/06/09 11:35
でもこの小説は良かった!
アクションシーンも緊迫感があって手に汗握るって感じでした。
名作ですよね〜〜〃o(≧∇≦)o〃
miburoさんは蝉しぐれの頃にお読みになりたいんですね。
私も本を読む時は季節に注意したいと思いながらも
夏に冬の話を読んでしまったり、冬に夏の話を読んだりと
かなりいい加減なんですよ〜(*´▽`*)ゞ
そして「あ〜今が真夏だったらな〜」とぶつぶつ つぶやいているのです。
季節感はとても大切で本当に大切な本はやっぱり
自分がこの時と決めた季節に読むのっていいと思います。

「壬生義士伝」!!読みたい!!
私、浅田次郎好きなので、これはぜひ、読まなきゃ〜!!
ルナ☆
2005/06/09 11:35
ルナ☆さん
コメントありがとうございます。感謝・感激です。(^0^)
とってもいいADSLデビューとなりました。
登場人物の風体や家屋等の闇の深さまで考えるなんて素晴らしい!
まして自分がこよなく気に入っている壬生義士伝を読みたいといってくれたこと
にも感謝の意です。
自分の奥さんにもまず映画版137分(中井貴一さん主演)の方を見てもらおうとしましたが、どうやら時代劇は苦手らしくまだみてもらってはないです。ドラマ版は498分(渡辺謙さん主演)こちらがおすすめなのです。2002年正月2日テレビ東京系で放映したものです。最後の2時間は泣きっぱなしです。
自分が南部藩に近いところに住んでいるからか、小学校の修学旅行で19年前会
津若松の白虎隊のお墓参りをしたり二本松少年隊の話を聞いたりしたせいもある
のでしょうか、とても感情移入してしまうんです。
miburo
2005/06/10 02:34
■miburoさん
そんなにお褒め頂いてとてもうれしいです(*^-^*)
でもね、私がただ単に頑固で厳しいだけなんだと思います〜。
本のイメージの世界をきちんと映像化した作品を
今まで観た事がないからなんですよ〜。
映像は不満ながらも、妥協・・・という道をとっています。
人妻はきちんとお歯黒をして、かつらじゃなくて
着物は縫いたてのアイロンがかかってるような物でなく
着古した感じで・・・な〜んて、ホントも〜無理でしょう?
私の頭の中にしか、江戸時代の人物はいないんです。

奥様、時代劇は苦手なんですね〜!それは残念ですね〜。
少しづつ、良さをわかってもらってくださいね。
なるほどmiburoさんは南部藩に近いところにお住まいなんですね。
感情移入できる環境っていいですよね〜!!
ルナ☆
2005/06/10 12:07

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